アシュリー・バンス『イーロン・マスク 未来を創る男』 ★★★★
驚異的な頭脳と集中力、激しすぎる情熱とパワーで宇宙ロケットからスタイリッシュな電気自動車まで「不可能」を次々と実現させてきた男――。
シリコンバレーがハリウッド化し、単純なアプリや広告を垂れ流す仕組みを作った経営者ばかりが持てはやされる中、リアルの世界で重厚長大な本物のイノベーションを巻き起こしてきた男――。
「人類の火星移住を実現させる」という壮大な夢を抱き、そのためにはどんなリスクにも果敢に挑み、周囲の摩擦や軋轢などモノともしない男――。
いま、世界がもっとも注目する経営者イーロン・マスク公認の伝記がついに登場!
イジメにあった少年時代、祖国・南アフリカから逃避、駆け出しの経営者時代からペイパル創業を経て、ついにロケットの世界へ・・・・・・彼の半生がすべて明らかになります。(Amazon)
面白かったです!
お恥ずかしながら彼の名前全然知らなかったんですけど……すごい……教養と一般常識の欠如しまくった人間で申し訳なくなるんですけど、面白かったです。例によって、この手のCEOの評伝読むと、最高に優秀な人材を集めた上で24時間働けますかの世界なので、下々の者は野たれ死ぬのでしょうか、って気分になるけどエンタメとしては面白いです。SFの世界を実現している。
ボリューム的には物足りなく、せめて1.5倍は欲しかったが、1971年生まれの44歳なら致し方無し。名前で検索したらこんな記事がアップされたばかり。数十年後に亡くなったら分厚いのが出るでしょう。笑 宇宙ビジネスの「欧州」ってフランスメインなんだね〜。
火星移住をリアルに目指すスペースX、電気自動車のテスラ、太陽光発電と、ペイパル以降に作った会社は一貫性がありますね。その前はドットコム企業って感じだけど。いや十分すごいのだけど。アイアンマンのモデルとなったのも知らなかったです、すごいね。心無しか名前も似ている。
ドットコム時代で気になったの、電書30%前後のLinuxかMicrosoft論争を「こんなことで揉めるなんて、部外者にとっては馬鹿馬鹿しく見えるが」って、読者のリテラシーを低く見積もりすぎだろう! 「宗教戦争のようなもの」と仰せの通りだよ!笑
本文中にゲイツやジョブズとの比較があり、ベゾスとの確執も描かれていたけれど、後者二人の激しさとかなり共通する部分が(文章からは)伺えて、既に代替わりしたAppleはまだしも、AmazonとスペースX・テスラについては後継者育成がとんでもなく大変そう。いくら若いと言ってもそろそろ始めている……のだよな?
今の時代当たり前なんだけどさ、今さっき読み終えた本に書かれている人のTwitterが読めるのって不思議な感じだ。笑 いや至極当たり前なんだけど、マスクの公式アカウントがテスラの電気自動車を宣伝しているのを見て、現実……と思ってしまった。小説を読む気持ちで読んでいるからか。
次はせっかくだからペイパル繋がりのリード・ホフマン読みますw 全部弟の本だけどあの子全然ITではない割にはIT関連ばっかり買ってる。わたしは残念ながらエンジニアにはなれなかった(頭が悪かった)が、分野としては好きなので有難い。