Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

フランソワ・サガン『悲しみよ こんにちは』  ★★☆

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

若く美貌の父親の再婚を父の愛人と自分の恋人を使って妨害し、聡明で魅力的な相手の女性を死に追いやるセシル……。太陽がきらめく、美しい南仏の海岸を舞台に、青春期特有の残酷さをもつ少女の感傷にみちた好奇心、愛情の独占欲、完璧なものへの反撥などの微妙な心理を描く。発表と同時に全世界でベストセラーとなり、文壇に輝かしいデビューを飾ったサガンの処女作である。(Amazon

 これ、新訳が出てるんだけど古い方で読んでしまって、文章がよくないということばっかり考えてしまい、中身を楽しむことが全然できなかった……それでも最後の結末にはハッとした。

 1955年が初訳だから言葉遣いなんかは古びてしまうのが当たり前だけれど、これは単語だけの問題じゃない。仏語の構文をそのまま日本語にしているのがよくわかるので、仏文学をやっている人にはむしろ優しいのかもしれないね……。私は春樹訳のチャンドラーや森村訳のウッドハウスが大好きだから、下手に日本語っぽい文章にするよりは直訳すればいいじゃない派なんだけど……いやー翻訳大事!! 機会があったら下の新訳をぱらぱら見てみたい。

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

悲しみよこんにちは (新潮文庫)