Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

江國香織『ぬるい眠り』  ★★★

ぬるい眠り (新潮文庫)

ぬるい眠り (新潮文庫)

半年間同棲していた耕介と別れても、雛子は冷静でいられるはずだった。だが、高校生のトオルとつきあっていても、耕介への想いはじわじわと膨らんでゆく。雛子は、大学四年の夏、かけがえのない恋を葬った(表題作)。新聞の死亡欄を見て、見知らぬ人の葬式に参列する風変わりな夫妻を描く佳編、『きらきらひかる』の十年後を綴る好編など全九編。著者の魅力を凝縮した贅沢なオリジナル短編集。(Amazon

 紺くんだー!! 

「災難の顛末」、かなり好きな部類だw 津村記久子の対極にある女性の働き方にはいつもまったく同調できず、文章ばかり楽しんでいるんだけど、こんなコメディみたいな話も書くんだな。

 上述の通り、江國香織の小説に出てくるメイン格の女性は一般的な会社員ではないことが多く、一般的な会社員である私は毎回「こんなふわふわした夢みたいな暮らしが現実にあり得るのか……」と半ば引いているけど(最たる例:テディベア作家)、江國さん自身は小説やエッセイを書いて生計を立てていらっしゃるのであり、出版系の人々に関してはリアル寄りってことなのかな……。津村記久子と比べてみてよと言いたい。誰にともなく。