江國香織『スイートリトルライズ』 ★★★★
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―。恋愛長編。(Amazon)
とてもよかった。出てくるのは成人のみで、皆多かれ少なかれ不倫に罪悪感を覚えているところが安心できた。不倫自体が地雷だったら江國香織なんて一冊も読めませんからね。ほんと。江國さんの三人称の文章はどれも温度感がちょうどいいなー。
「なぜ嘘をつけないか知ってる? 人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」
この台詞万能すぎる。