Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

津村記久子『八番筋カウンシル』  ★★☆

八番筋カウンシル (朝日文庫)

八番筋カウンシル (朝日文庫)

30歳を目前に会社を辞めたタケヤス。実家に戻り友人と再会するも、地元の八番筋商店街は近郊に巨大モール建設のためカウンシル(青年団)の面々が騒がしい。そんな中、ある噂をきっかけに転校したカジオと再会し…。人生の岐路を迎えた男女を描く物語。(Amazon

 それなりに店を開けておける商店街を舞台にした長編。短編を主とする作家だろうから、どうしても長いなーって印象を持ってしまうけど、面白くなくはなかった。でも面白いと言い切れはしない微妙な感じ。

 ネタバレになるが、ヨシズミが土岐田医師にバシンと突き付けたシーンは痛快だったな! あれによって事態が好転するとか報われるとかそういうことじゃないんだけれど、これまでの鬱屈が晴れました。それに対するカヤナの反応もよかった。男の人が決めれば、って言ってたあたりから痺れてた。

 最後に家を購入したホカリを見て、私も実家で暮らしながら金を貯めるべきなのか……と考えている。家を所有したいとは思っていないので、まあ、うーん……。