Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

川上未映子『ヘヴン』  ★★★

「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら―」驚愕と衝撃、圧倒的感動。涙がとめどなく流れる―。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説。(Amazon

 ……いじめ描写がものすごくしんどかった。人間関係の窮屈さなどではなく明白に暴力だからね。疲れた。文章による流血描写が一番苦手なんだ。ただ読ませる力はあるので一気に読んだ。救いがないわけではないのが有難い。もちろん全てが回収されてめでたしではないが。
 これが中学生の話というのはちょっと違和感だな。高校生で十分ではないか? あとトイレでの一件で二ノ宮と百瀬の間に何らかの関係があると真剣に邪推していたんですがありませんでしたね。残念です。
 川上さんの『乳と卵』は苦手な文体っぽかったので今後も読まないと思うのだが、他の作品もこういう傾向なら読めないな……いや知らんけども。私は苦しい読書は多分に作り物感を振りまいてもらわないとできないタイプなので。読むことは主に娯楽だから。