Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ジョー・ウォルストン『英雄たちの朝』  ★★★

 1949年、副総統ルドルフ・ヘスの飛来を契機に、ナチスと手を結ぶ道を選んだイギリス。和平へとこの国を導いた政治派閥「ファージング・セット」は、国家権力の中枢にあった。派閥の中心人物の邸宅でパーティーが催された翌朝、下院議員の変死体が発見される。捜査にのり出したスコットランドヤードのカーマイケル警部補だが―。傑作歴史改変エンターテインメント三部作、開幕。(Amazon

 ツイッターでべた褒めしている人を見かけたので。第二次世界大戦でイギリスがナチスドイツと講和したら、という歴史改変モノ三部作の第一作目。面白かった! 描写が全体的にくどいかなあと思ったくらい。カーマイケルがちらちら仄めかすジャックとの関係に思いを馳せて萌えたよ……笑
 何ていうか、あれね、同性愛や人種(って言葉は使いたくないけど)差別、2010年代になっても大して変わってないよね。パリやベルリンの市長の例のように多少の進展はあっても、日本では石原都知事が数々の暴言を繰り出しているしさ、変わったのは本当にちょっぴりなのではないか……あ、イギリスでは同性婚が認められているか! 1960年ごろまで同性愛が法律で罰せられていたのとは大分違う! 最近その手の話題をよく読むので、物語の内容よりもそういう部分を考えてしまった。現代の作家が書いてるんだからと言われればそれまでだけどさw 2050年あたりにはもっと変わってることを願うよ。