Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

辻村深月『ぼくのメジャースプーン』  ★★

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
辻村 深月

 忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは。(Amazon


 辻村さん今年で三十だわー、びっくり。この本は2006年だけど。にしてもこの微妙な若さ加減がうまいのか地なのか……今後もこんな作風だったら素直に感心してしまう。すごい。
 一気に読める面白さと読みやすさはあったけど、それだけって感じもなくはないような一冊だった。この人よく群像劇っぽいの書いてるのに、今回はぼくとふみちゃんしかクローズアップされなかったね。秋先生のスピンオフとかあってもおかしくないよな。せっかくの設定だからもっと毒がほしかった!

 

  ふみちゃん、故意に茫然自失状態だったらよかったのに(笑)ぼくを動かすためのお芝居だったら! そんで最後秋山がものすごい趣味の悪い呪いを吐くとか。まあ、ないよね。でも、ありだよね。