Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

P.G.ウッドハウス『でかした、ジーブス!』  ★★★★★

でかした、ジーヴス! (ウッドハウス・コレクション)
でかした、ジーヴス! (ウッドハウス・コレクション)
Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき
 情け知らずのアガサとダリアの両オバさんをはじめ、恥知らずの悪友シッピー・タッピー・ビンゴや怖いもの知らずの悪童トーマスらの猛攻をまえに、またもやピンチにおちいる世間知らず若旦那バーティー。あいも変わらぬ奇人怪人たちが勢揃いした、奇想天外なジーヴス・ワールド全11編。(Amazon

 再々読、くらいかな。最初は原書で次は日本語でもう一度日本語……。短編が11個も入ってると、ジーブスの見事っぷりがこれでもかこれでもかと立て続けに味わえるので、長編とはまた違って面白いね。
「プラットさんはインフルエンザにかかってらっしゃるんですか?」
「そうだと思うんですの。ですけど、もちろんお会いいただけばわかりますわ。でもお時間を無駄にはさせませんわよ。せっかく来ていただいたんですから、あたくしのひざを見ていただけるかしら」
「あなたのおひざですか?」
 僕は然るべき時、またこう言ってもいいが、然るべき場所にあってはひざをこよなく愛してやまないものである。だが今がそういう時であるとは僕には思えなかった。しかしながら、彼女は方針通りにことを進めた。
「このひざをどう思われます?」彼女は訊ねた。七重の裾を持ち上げながらだ。
 うむ、無論、人は礼儀正しくあらねばならない。
「素晴らしい!」僕は言った。

「それはできません」僕は厳粛に言った。「背骨はだめです。ひざはいいでしょう。ですが背骨はいけません」僕は言った。(ジョージ伯父さんの小春日和)

 ひざの場面は何回読んでも噴出してしまうwww