グレッグ・イーガン『TAP』 ★★★★
TAP (奇想コレクション)
山岸 真
脳に作用してあらゆるものを言語で表現することを可能にするインプラント“TAP”。それを使用していた世界最高の詩人が謎の死を遂げた。詩人の娘から事件の究明を衣頼された私立探偵は捜査に乗り出すが…表題作「TAP」、体外離脱体験を描いた“世にも奇妙な物語”「視覚」、一人称による饒舌な語りの異色作「悪魔の移住」、ホラー作「散骨」、イーガンの科学的世界観が明確に刻まれた名作「銀炎」ほか、すべて本邦初訳で贈る全10篇を収録。(Amazon)
イーガンこういうのも書くんだ! と思えたのでいいチョイスだったんじゃなかろうか。さすがの面白さ。しかしあれがホラーとは言えないような。苦手だから身構えて読んじゃったけど、日本みたいなじとっとしたホラーはやっぱないのかな。
表題作が一番興味深かった。面白いというより興味をそそる題材、って感じなんだよね。いずれTAPみたいなものが出てくるのかしら……。
割とオチがあっさりめの人みたいね。イーガンに限らないか。もっとも、ネタ第一なら種明かしを必要以上に盛り上げることもないわけだけど。