Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

湊かなえ『告白』  ★★★★

告白
告白
湊 かなえ
 我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。(Amazon

 面白かった!! 母が随分前に予約したのが忘れたころに来たらしい。本屋大賞取ったから話題になったんだっけ? 人に薦めたくなる気持ちはよく分かる。いやーこういう毒々しい話を求めてたんだよね!
 Amazonの紹介文の通り、色んな人の視点で事件の流れを追っている。人が変われば捉え方も変わります、ってことで少しずつねじれていく感じ。一章の時点で綺麗に終わってたから連作っぽいのかなーと思ったら、普通に続いていて、しかも章ごとに綺麗に終わってました。最後まで爽快です(多分相応しくはない言葉だけど)。目の前が真っ暗になって足元ががらがら崩れていく、そんなラスト。いいねー。
 倫理がどうとか、そういう読み方しちゃったらつまんないんじゃないかな。純粋に流れを楽しめばすごく面白い。エンターテインメントだ。
 個人的に「ミヅホ」のあたりがすごい好きだったな。