Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

瀬名秀明『デカルトの密室』  ★★★★

デカルトの密室 (新潮文庫)
デカルトの密室 (新潮文庫)
瀬名 秀明
 ヒト型ロボットが実用化された社会。ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。未来へ問いかける科学ミステリ。(Amazon

 前半はとてつもなくのめりこんだけど後半はよく分からなくなった!笑 科学も哲学も知識と思考力が足りていないです。「SFが読みたい!」のレビューに「後半はちょっとまとまってなかった」的なことが書いてあったので、私が理解できないのも仕方ない……と思いたい(笑)
 チューリングテスト中国語の部屋など、こないだ読んだ『神は沈黙せず』に出てきた概念がたくさんあったので読むのが楽でした。いいタイミングだった。ヒューマノイド人工知能に興味があるので、もっとこの手の作品読みたいな。機械のケンイチくんよりレナやフランシーヌの方がロボっぽいよ。「小説を書くこと」に落とし込むのは小説好きとして嬉しいというか何というか。
 いつも思うけど、シリーズならそれをでっかく書いておいてほしいものだ。本書に先んずる短編(アンソロジーに収録)があったことを作中の記述で気付き、でも読みさすこともできなくて最後まで行ってしまった。しかも『第九の日』に再録されているそうじゃないですか。それ、知ってたら一緒に借りてきてたよ。