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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

東川篤哉『密室の鍵貸します』  ★★☆

密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)
密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)
東川 篤哉
 その日、烏賊川市立大学映画学科の四年生・戸村流平は、二つの死への嫌疑をかけられた。大学の先輩である茂呂耕作と、元彼女の紺野由紀。流平は、由紀の死に関しては完璧にアリバイがあるのだが、それを主張できない。なぜなら、由紀が死んだ夜、流平は鍵のかかった茂呂の部屋で、彼の死体を発見していたから…。緻密な構成と大胆なトリック、飄々とした筆致。極上の本格推理デビュー作。(Amazon

 大学の友人らと集まる口実の課題本がこのシリーズの四作目になったので、せっかくだから通して読もうかと。四作目の『交換殺人には向かない夜』は既読だったんだけど、昔の自分の感想が辛口すぎて笑った。お前にはユーモア精神というものがなかったのか……!笑 今回は普通に好ましく読みました。キャラクターも、とぼけた地の文も。やはりシリーズは最初から読まなきゃね。
 ただあまりにも紺野殺しの犯人がバレバレすぎる! これは読者にあてさせておいていい部分だったのかな。本当に驚かせたかったのはもう一つの方で、こっちは私は変と思いつつ気付けなかったし……でもこれが伏線だというのは後から回収というより読んでる最中に分かる。分かるのも楽しいけどさ。長編としては一作目らしいから、慣れてなかったのかもしれない。あ、動機については思わぬところから攻められたのでびっくりしましたw