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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

Rebecca Brown『The Dogs』  ★

The Dogs: A Modern Bestiary
The Dogs: A Modern Bestiary
Rebecca Brown
 一人暮らし女性の部屋に唐突に現れた犬。孤独だった女性は、その犬の出現を受け入れるが、やがてその生活は次第に不可解な方向へ……。陶酔と恍惚と幻想性あふれる、ある“愛”の物語。『体の贈り物』、『私たちがやったこと』、『若かった日々』で日本でも熱烈なファンを多数生み出したレベッカ・ブラウン。無駄をそぎ落とした言葉で、最大限の想像力を喚起させる「呪縛力に満ちた文章」はそのままに、しかしこれまで翻訳されたどの作品とも違う魅力をみせてくれる。(Amazon

 幻想小説と言えばいいのかな? 私との相性はすこぶる悪いみたいだ。
 ある日帰宅したら犬がいて、でもその犬はどうやら他人には見えていないらしい。犬との共同生活を営むうちに、その犬が子供を産んだり傍若無人に振舞うようになったり、結局は私が逃げ出してしまうんだけど。
 全部読む必要があったので、レベッカ・ブラウンは文章短めだしととりあえず辞書を使わずに途中まで読んでみて、さっぱり分からなかった。何が描かれているかは大体分かるけどだから何なのかは分からない。なので訳書に目を通してみるも、日本語でもよく分からないときた。特に終盤にかけては何かの暗喩なのかも検討がつかぬ。ってことはそういう類の小説なのだなと勝手に納得しておいた。
 これ、寓話なんだよね?
 寓話(ぐうわ)とは、道徳的な教訓を伝えるための短い物語である。しばしば、動物などを登場人物とし、不可解で神秘的な印象を与えることも多い。(Wikipedeia)

 道徳的な教訓は明示されてないと思うけど、不可解で神秘的ではありました。薄暗いトーンで追い詰められるような文章の雰囲気はよかった(短すぎる文は大抵意味が取れなかったが)。面白い面白くないで言ったら、面白くはなかった。明日著者の話を聞いたら考えが改まるかもしれない。