Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

渡辺淳一『失楽園』上  ★

失楽園 (上)
失楽園 (上)
渡辺 淳一
 凛子と久木はお互いに家庭を持つ身でありながら、真剣に深く愛し合ってゆく。己れの心に従い、育んだ“絶対愛”を純粋に貫こうとする二人。その行きつく先にあるものは…。人間が「楽園」から追放された理由である“性愛=エロス”を徹底的に求め合う男女を描き、人間とは何かを問うた、渡辺文学の最高傑作。(Amazon

 GWに祖母を訪ねたとき本を持参するのを忘れ、何か読むものない? と聞いてみて、祖母が唯一持っていた小説がこれ(笑)おばあちゃん、何だってこの本買ったんだ。相当話題になってたのは知ってるが。
 不倫の話ですね。連作短編で、全ての話に性描写が入れてあった気がする。下巻を読まずに帰ってきたので、どの部分がそれほど話題になったのかをウィキペディアを見てみたところ「不倫を主題にし、一般向け新聞連載ではあまり例のない性描写を含め連載当時から話題に」だそうで。性描写は期待してた割に激しくなかったけど(それこそ女性向け小説の方がよっぽど激しいだろ笑)、日経新聞に連載されていたってのが問題だったんだね。何度も同じ内容を反復していて文章がくどかったのも、新聞連載だったと言われれば納得するような。数日読み忘れてたとしても、余裕でついていけるもんね。
 上巻を読んだ限りでは、ストーリーは盛り上がりに欠けてぐだぐだだし、文章も下手だった。登場人物への感情移入はキャラクター的にも年齢的にもできず、下巻を読みたいかと言われたらよっぽど暇でない限りは読まないな……。二人は心中するんだったっけ? それでも興味持てん。
 ああ、映画で凛子を演じたのは黒木瞳だったのか。それはちょっと見てみたい。