Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』  ★★★

ゴーレム100 (未来の文学)
ゴーレム100 (未来の文学)
アルフレッド・ベスター,渡辺 佐智江
 22世紀のある巨大都市で、突如理解不能で残虐な連続殺人事件が発生した。犯人は、8人の上品な蜜蜂レディたちが退屈まぎれに執り行った儀式で召喚した謎の悪魔ゴーレム100。事件の鍵を握るのは才気溢れる有能な科学者ブレイズ・シマ、事件を追うのは美貌の黒人で精神工学者グレッチェン・ナン、そして敏腕警察官インドゥニ。ゴーレム100をめぐり、3人は集合的無意識の核とそのまた向こうを抜け、めくるめく激越なる現実世界とサブリミナルな世界に突入、自分の魂と人類の生存をかけて闘いを挑む。(Amazon

 絶句。どんなトリップだ(笑)こんなにいっちゃった話は初めて読んだかも……。とてもひどい! いろんな意味で。ぱらっとページをめくるだけでわかる、これは、やばいと。私の理解など遥か及ばないわ。
 いやー、ゴーレムが連続殺人を犯すってことしか知らなかったので、古い探偵小説めいた世界だと勝手に想像してたんだよね、マッドサイエンティストが作り出しちゃったのかな、みたいな。違いますよね。大体SFなんだし、未来の方が可能性高いに決まってる。
 これ感想書くの無理だ。紹介文はまったくその通りなんだけど、中身はもっともっとおかしい。大体しょっぱなから楽譜だからね。ゴーレムが起き上がる部分にはわくわくしたけど! 下ネタとスラングと大胆なフォント弄りと外国語と、大量のイメージ。これ原書を一度拝みたいわ。さっぱり読めないんだろうな。よく翻訳したな、これ。ずっと取り残されてたのも当然だわ。
 解説によるとこれまでのSFネタがたくさん組み込まれているそうですね。初心者には拾えませんね。いや、普通に読んでも十分面白いんだけど、あまりにいっちゃってるんだもん(笑)

 未来の文学シリーズの装丁が好き! 二色くらいで、明確なイメージも使わないのかな? 『ヴィーナス・プラスX』『デス博士~』と本書の三冊しか読んでないけど、どれも装丁含めてよかったです。奇想コレクションのイラスト表紙も好きだよ、わかりやすくて。