コニー・ウィリス『航路』上 ★★★★☆

航路(上)
コニー ウィリス,大森 望

　トンネル、光、天使、亡くなった家族など、心停止から蘇生までの間に見る不可思議な世界。認知心理学者のジョアンナは、これらの臨死体験を科学的に検証するため聞き取り調査を行っている。そんな彼女の元に、化学物質を投与して擬似臨死状態を作り出す実験を試みる神経内科医のリチャードが現れた。彼の研究に参加することになったジョアンナは、被験者不足のため自らも実験台に上ることに。擬似臨死状態で彼女が見たものとは何なのか？ 臨死体験とは脳が作る幻想か、あるいは「あの世」からのメッセージなのか？（Amazon）

　おもしれー！！　初コニー・ウィリス！　散々話題になってたんだからもっと早く読めばよかったのにね！　まあいいや出会えたから！　下巻を一緒に借りてこなかったことをこれほど後悔する本もありません。
　二段組で割と厚いけど、めちゃくちゃ読みやすい。めちゃくちゃ先が気になる。一度読み始めると止まらないのでご注意。思わせぶりなところで章を区切るくせに、次の章ではその直後をやってくれるという優しさよ！笑
　描写は細かくて多い方（だと思う）だからSFわかんねーよ！　ということもなかった。化学物質除いて。まあ、舞台は現代アメリカ、今のところ突飛な出来事もないからね。……これSFってくくりでいいんだろうか？
　久しぶりにタイタニックの話を聞いた。私は結構映画好きだよ！笑　ジョアンナと一緒にタイタニック探検している気分だ。頭で映像化しやすい文章だよね。
　登場人物もいいです。リチャードはきっとキュートなんだろう！　見たい！笑　ジョアンナの外見が分からないな。m&mを食べないであろう看護婦に食生活を肯定してもらえなさそうってことは、太め？　あとは眼鏡か。ヴィエルはジョアンナより小さくて黒っぽい髪で筋肉がありそうなイメージ（笑）キットはブロンドのショートで守ってあげたくなる可愛さと。メイジー死なないで！　マンドレイクはマジうぜええ！笑　このうざさ、ぶん殴ってやりたいわ！　リチャードとジョアンナはくっつくかなー。楽しみ。
　そういえば、「航路」は「Passage」。Passageといえば『ヴィーナス・プラスX』もPassege＝移行がキーワード。繋がりを見出してニヤニヤするのも読書の楽しみです。