Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

紅玉いづき『MAMA』  ★★★

MAMA (電撃文庫 こ 10-2)
MAMA (電撃文庫 こ 10-2)
紅玉 いづき
 海沿いの王国ガーダルシア。トトと呼ばれる少女は、確かな魔力を持つ魔術師の血筋サルバドールに生まれた。しかし、生まれつき魔術の才には恵まれなかった。ある日トトは、神殿の書庫の奥に迷い込んだ。扉の奥から呼ばれているようなそんな気がしたから。果たしてそこには、数百年前に封印されたという人喰いの魔物が眠っていた。トトは魔物の誘いにのった。魔物はその封印から解き放たれ、トトは両耳を失った。そして強い魔力を手に入れた――。これは、孤独な人喰いの魔物と、彼のママになろうとした少女の、儚くも愛しい歪んだ愛の物語。第13回電撃小説大賞“大賞”受賞『ミミズクと夜の王』の紅玉いづきが贈る、二つ目の“人喰い物語”。(セブンアンドワイ

 好きな人がべた褒めしていたので期待値が高くなってしまい、読後感としてはよかったけどそれほどではない、でした。しかしハッピーエンドを心から受け入れられる、キャラクターが幸せそうだと私も幸せ、という方向へ読者を持っていくのはうまいよね。ハッピーエンドになってほしいと願えて、完璧に予定調和なそれが叶えられてもなお、ああよかったねおめでとうと泣けるあたり。ええ泣きましたとも。
 愛しかない、というのは本当にそうだ。愛を描けるんだからそのまま突き進んでほしい。
 短いのは手軽でいいけど、もうちょっと詰まった話も読んでみたいかな。
 お、同人活動してるのか。ペンネームはいづきが漢字になって、紅玉伊月とのことです。創作は三日目……さすがに三日連続は……(笑)