Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

バートン版『千夜一夜物語 1』  ★★★☆

千夜一夜物語〈第1〉―バートン版 (1966年)
大場 正史

「栄えある神、偉大な神、アラーのほかに主権なく、権力なし。アラーの力をかりて、女の邪心と手管をのがれよう。まことに、アラーの力におよぶものとてない。われわれよりずっと力のある魔神を、あの不思議な女がどんなふうに手玉にとったか考えてもごらん。われわれにふりかかった不幸よりもっと大きな不幸に魔神はあっているのだ。われわれの気持ちも大いにおさまったわけさ。さあ、郷里へ、都へ帰ろう。こんごは女どもと決して結婚しないようにしようではないか。そのうち、女どもには、われわれのやり方を見せてやるぞ」


 授業の発表に使おうと思って一巻だけは全て読み、他はつまみ食いした。俗に言うアラビアンナイトってやつですね。王様が続きを知りたくてシャーラザッドを殺さずにいるのも頷けるくらい、話はなかなか面白い。物語は複雑な入れ子状態で、一ページに三回くらいアラーを褒め称えて、あらゆる場面に読む気になれない詩が出てきます。アラビア文化に触れたことってあまりなかったので、いい機会だった。
 挿絵がすごくエロティックで美しいので見るべきだと思います。