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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ 1』  ★★

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉
マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉
冲方
「クリストファー教授と一緒に行けば、俺を受け入れてもらえるのか? 研究所の外に、そういう相手がいるのか? 俺を廃棄しようとする相手ばかりじゃなくて?」

「いよいよマルドゥック・スクランブル-09が本格実働に入った。全て君たちがいたからこそだ。クルツ、オセロット、レイニー、ワイズ、ボイルド、ウフコック、ラナ、ジョーイ、ハザウェイ。君たちという存在はみな、この日のために生まれたのだ。今こそ君たちの能力を存分に発揮し、この都市に新たな有用性をもたらそうではないか」

 読みにくかったー! /、=、体言止めの嵐。プロローグだけかと思いきや全編にわたってそうだった。段々慣れるんだけど、慣れるまでは本当にしんどい。スクランブルはそうでもなかった気がするのに……冲方さんの著作は追いかけてないからわかりませんが。
 戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男―ディムズデイル=ボイルド。肉体改造のため軍研究所に収容された彼は、約束の地への墜落のビジョンに苛まれていた。そんなボイルドを救済したのは、知能を持つ万能兵器にして、無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。だが、やがて戦争は終結、彼らを“廃棄”するための部隊が研究所に迫っていた……『マルドゥック・スクランブル』以前を描く、虚無と良心の訣別の物語。(裏表紙)
 スクランブルにおいて何故あれほど有用性が強調されていたのかはわかった。廃棄されないためには自らに存在する価値があると証明しなければならないのね。普通に生きている人間とは大違いね。ボイルドがウフコックとパートナーだった時代の話なので、普通に主人公やってた。たまにエクスプロードしてるけど(笑)登場人物は多くて、クリストファーサイドについた人たちを区別するのも大変だけど、そのうち個性がわかってきます。レイニーの喋り方かわいい。ラナも好き。
 クリストファーってそんなに美形だったんだっけ? バロットとウフコックとイルカ&少年の記憶しかございません。ウフコックは昔から純粋でかわいいのねー。またも楽俊と重ねてしまったよ。ひさしぶりに十二国記読みたいかも……ネズミって良い人の役が多いのかな。
 幽遊白書の仙水編を思い出しちゃった。マフィアの残虐趣味。人間の汚いところを見たり。話が複雑でよくわからなかったんだけど(読み返す気にはなれないし)、最終的にはボイルドVSニコラスになるのかしら。簡単に言えば、有用性を証明するために保護対象を守ろうぜ☆ 立ちはだかる標的に突撃(と書いてファックと読む)だぜ☆ って話です、多分。ボイルドとウフコックの関係にも注目です(てかそれがメインじゃ?)