Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』  ★★

ナイチンゲールの沈黙
ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊

「僕は加納を嫌ってはいません。苦手なだけです。加納は組織第一主義でして。行き着く先はファシズムです。だから、個人の自由と享楽を最大限に尊重する僕とは人生哲学上、相容れない存在なんです」
 田口は白鳥の加納評に妙に納得した。


 白鳥の大学時代の同級生である加納という刑事が新登場人物です。常連になるっぽいです。
 それにしても通り名ありすぎだよ!笑 どれが誰だかわからなくなるし乱用はちょっと……。てか、文章が割と読みにくくてびっくりした。前回は気にならなかったけどな。
 東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストー)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく……。(Amazon
 このシリーズは今後、オカルティックな方向に進むわけ? 暗黒館と同時期に読んでたから何か……困ったよ(笑)できれば前回みたいに現実的方面からアプローチしてほしいんですが。キャラクターは好きなので、普通にミステリやっててほしかったな。うーん。

 

 倒叙ミステリなのね。小夜が犯人だってのは誰だって気付くところ。瑞人に解剖やらせたのはすげえや……。瑞人は将来いい男になるんでしょうねえ。両目を失う彼のために小夜は歌に映像をのせる……それはいいけど、やっぱりサイキック色が強いよねえ(笑)