Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

角田光代『学校の青空』  ★★★

学校の青空
学校の青空
角田 光代

 いつだったか更衣室で感じた一体感、私たちはただの塊になって寄り添い合っているような感覚が急激に失われていった。そうだった。あのときだって、思わず抱き合った瞬間、私は自分の腕の抱いているものを友則の身体を抜け出した魂だと感じていたのに、友則はそうしながらも私の胸のふくらみを感じ、その大きさを計っていたのだ。(パーマネント・ピクニック)


 パーマネント・ピクニック:小学校の同級生・ハルオがいじめを苦に自殺したらしい。私と友則は、二人で自殺することにした。
 放課後のフランケンシュタイン:女子だけの中学に上がって私が最初に夢中になったことは、カンダをいじめることだった。カンダが転校した後、彼女と一緒にいたカナコをいじめることにした。
 学校ごっこ:みどり先生はクラスの皆にそれぞれ役割を押し付けていた。私はちょっと頭の弱い子の役。そのうち、皆その役割を受け入れて演じるようになっていった。
 夏の出口:高校三年の夏休み、私は三人の友達と島に行った。それまでに進路を決めて、思う存分はじけるのだ。

 

「また無視されることが怖いの? 私があなたのことを守ってあげるから、大丈夫よ。安心して私のことを考えて、いろいろしてくれていいのよ。試しに、前みたいにみんなの前で私に何かしてみたらいいと思うの。きっともうだれも何も言わないわ、そう思わないマリちゃん? ずっとそう言いたかったの。でもなかなか二人で喋れないから」(放課後のフランケンシュタイン