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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

エンツェンスベルガー『数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜』  ★★★★★

数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜
数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜
ハンス・マグヌス エンツェンスベルガー, Hans Magnus Enzensberger, 丘沢 静也
 再読。友達の家にて(笑)はじめて読んだのは中学の時だっただろうか。偶然にも私と主人公・ロバートの学年が一緒で、やけに親近感を覚えた。
 算数や数学なんて大嫌い!そんな少年ロバートの夢のなかに、夜な夜な、奇妙な老人「数の悪魔」があらわれ、真夜中のレッスンがはじまる。1や0のマジック。素数の謎。ウサギのつがいの秘密。累乗と平方根パスカルの三角形。順列・組合わせ。無限と収束。旅するセールスマンの問題……。だいじょうぶ。ここは夢の教室で、先生は数の悪魔。数学なんてこわくない。先生が魔法のステッキをひとふりすれば、数の法則が目からウロコが落ちるようにわかるのだ。12夜にわたる二人のゆかいな対話にみちびかれて数の世界を旅すれば、算数や数学が苦手な人も得意な人も、きっと誰もがわくわくするだろう。小学校高学年以上対象。(Amazon
 私は数学というか算数が苦手で、この公式が云々かんぬんってとこにはときめきに近いものを感じるもののいかんせん計算ミスの嵐をまきおこしてしまうので、数学も段々嫌いになっていった。高校の頃は嫌悪していた。考え方は面白いと思う、でもいつまで経っても正しい答えが出ない(笑)だから悪魔が「計算機があるんだから使えばいいじゃないか」と言ってくれて嬉しい。生きていくうえで最低限必要な計算能力はある、それはわかる、でも私が数学を楽しむためには計算機が必要だったなあ……と思うのでした。
 数式は数学者にとって芸術だと言う。本書を読めば芸術的な数学の氷山の一角に触れられる。不思議だな、すごいな、きれいだなって思う。私は子供ができたあかつきには絶対に買い与える。ラスト少し泣けるし(笑)