Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

三浦しをん『極め道』  ★★★★

極め道―爆裂エッセイ
極め道―爆裂エッセイ
三浦 しをん
 私はアルバイト先で毎日十一時間も上記のような歌を聞かされつづけ、いいかげん脳細胞が壊死しました。私に許された音楽は、現在のところ上記の類の曲と、閉店の案内の「蛍の光」しかないのです。これを苦痛といわずしてなんといおうか。

 あああ、その気持ちわかりすぎるほどわかる! 私がバイトしているスーパーも、そのスーパーのテーマ曲と蛍の光が定番です。ひな祭りの季節には「あかりをつけましょ云々」だったなあ。殺意を抱くよね。無音でいいじゃないの。せめてレジの前だけでも。
 彼女のエッセイはかれこれ四冊目です。あとは『妄想炸裂』を残すのみか? 本作がエッセイとしては一冊目だったみたい。初っ端からかなりはじけてますけど。
 でも、まだヴィゴやW杯の話題がないところが、時代の流れ(?)を感じます。愛の対象は絶えず移り変わるものなのよね……。
 私はといいますと、麻耶雄嵩のデビュー作を呼んでいる最中でして、引きこもってしまった木更津にいつのまにかほだされていました。御手洗や榎さんの個性的過ぎるキャラの前には霞むな、と軽く見ていたのに。木更津はミステリにおける探偵役のまさにステレオタイプ。ワトソン役の彼も然り。……あっ、いきなり火村先生が恋しくなってきた! 次は有栖川で決まりだわ。江神さんより火村先生派です。関係のない話をしたところで、締めくくらせていただきます。三浦しをんとお友達になりたい。