Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

エッセイ・ノンフィクション

イアン・アーシー『怪しい日本語教室』  ★★★★☆

怪しい日本語研究室 イアン アーシー, Iain Arthy 古今東西を通じて、日本語ほど煩雑な表記法があれば会ってみたいぐらい。変な文字と言えば、古代エジプトのヒエログリフを連想する人が多いだろう。男女、鳥や爬虫類に、ばらばら死体を彷彿とさせる目、手や…

角岡伸彦『はじめての部落問題』  ★★★

はじめての部落問題 角岡 伸彦 新書のよしあしってよくわからないんですが、私にとってはじめての情報がたくさん乗っていたので読んでいて「ほー!」となってばかりでした。そもそもお恥ずかしいことに私が部落差別を知ったのはつい最近でして。現代日本に差…

ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』  ★★★★☆

夜と霧 新版 ヴィクトール・E・フランクル, 池田 香代子 そして、とっくに感情が消滅していたはずのわたしが、それでもなお苦痛だったのは、なんらかの叱責や、覚悟していた棍棒ではんかった。監視兵は、このなんとか人間の姿をとどめているだけの、尾羽打ち…

若竹七海他『マレー半島すちゃらか紀行』  ★★★

マレー半島すちゃらか紀行 若竹 七海, 高野 宣李, 加門 七海 しかし、たった一六日間の短い旅行でその国のことをうんぬんするのが不遜な行為であるとわかっていても、わたしにはマレーシアという国、一筋縄ではいかない奥の深い国だと思われるのだ。(中略)…

藤倉良『環境問題の杞憂』  ★★☆

環境問題の杞憂 藤倉 良 環境問題は大袈裟に騒がれすぎなんじゃないの~って趣旨。父親が持っていってしまったので手元にありませんが。 石鹸と洗剤、どちらを使った方がいいかは地域などによる、というのもわかるんですが、何よりもまず両方ともを極力使わ…

穂村弘『本当はちがうんだ日記』  ★★★★

本当はちがうんだ日記 穂村 弘 面白い! 実は初めて読みました穂村さん。エッセイが人気なので気にはなってたんだけどね。他のも是非読んでみたいです。面白かったー。ダメ人間のようだけど、恋人いるし最後には結婚もしたし、まだダメっぷりが足りないんじ…

米原万理『不実な美女か貞淑な醜女か』  ★★★★

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か 米原 万里 言葉というのは、表現の手段であるだけでなく、思考の手段でもあり、いわば人間の考え方の型を如実に反映するものである。通訳するとき、あるいは翻訳するとき、役者はスピーカーや原文作者の思考の型をも他言語に…

リリー・フランキー『東京タワー』  ★☆

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ リリー・フランキー オマケして星2つだな。書道の先生が貸してくれました。 これは小説なのかもしれませんが私は断固小説カテゴリに入れることを拒否します(笑)エッセイでいいじゃんね。最初からエッセイの形…

米原万里『魔女の1ダース 正義と常識に冷や水を浴びせる13章』   ★★★★☆

魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 米原 万里 冷や水浴びた!! 目から鱗がぽろぽろ落ちたよ。見につまされる思いでした。読んで損はないでしょうこの本は。視野を広げ世界に目を向けて、もっと色んなことを知りたい、と思わせてくれる。まだ…

三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』  ★★★★

三四郎はそれから門を出た 三浦 しをん 「私、けっこう本読むんだー。『冷静と情熱のあいだ』はすっごくよかったよ」なんて言う、おまえらなんてみんな死ね。合コン中の男女を横目に、居酒屋で一人、苦々しい思いでビールを飲んだことが何度あっただろう。私…

マイク・エイブラハム『イグ・ノーベル賞』  ★★★

イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手! いやあよくこんなことを研究しようと思ったもんだ、という論文がたくさん。笑えて、何かを考えさせられるのがいいらしいです。役に立たないじゃん、と切り捨てることなく。 大学の教授が授業中に話し…

ソロコワ『ラフマニノフ―その作品と生涯』  ★★

ラフマニノフ―その作品と生涯 ソコロワ, 佐藤 靖彦 ロシア文化についてのレポートでラフマニノフを取り上げようと思ったので。彼の一生が書かれているんだけど、曲の解説が結構長い。私はピアノ協奏曲二番と四つの小品・鐘しかろくに聞いたことがなかったの…

森絵都『屋久島ジュウソウ』  ★★★

屋久島ジュウソウ 森 絵都 「あのときは苦しかった」 「みんなよくやったよ」 「でも今思うと楽しかったねえ」 「あのときはもうダメかと思った」 「よく歩き通したよ」 「でも今思うと楽しかったねえ」 会話は概ねこんな感じで、たいして内容のある話はして…

三谷幸喜『オンリー・ミー 私だけを』  ★★★★

オンリー・ミー―私だけを 三谷 幸喜 しかしこうしてみると、これほど読んで役に立たないエッセイも珍しいかもしれない。だんだん心配になって来た。 ふと考える。 いったい読者はここから何を得るのだろうか。 ここにしか書かれていない新情報というものは、…

岩井志麻子『ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし』  ★★

ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし 岩井 志麻子 一般のお嬢さんたちは、小説を書くわけじゃないから、とにかく恋愛をする。恋愛が作品なんだよね。恋愛してると、自分が主人公になれるんだもん。恋愛ってすごい娯楽。金はかかるっちゃかかりますが、たいし…

中村うさぎ・岩井志麻子『女神の欲望』  ★★★

女神の欲望(リビドー) 中村 うさぎ, 岩井 志麻子, テレビ東京『女神の欲望』 いやーはじけてるなあ。岩井さんがこんなエロスにまみれた方だとは知りませんでした。

三浦しをん『桃色トワイライト』  ★★★★

桃色トワイライト 三浦 しをん 「私、食べても太んない体質なんですぅ」とかモデルが言ってるのを目にするたびに、「そんな物理法則に反したことがあるか。ふざけんなこのやろ」と怒りに燃えちゃうんだけど、自称「太らない体質」のモデルに、私と同じ食生活…

中村うさぎ『だって、買っちゃったんだもん!』  ★★★

だって、買っちゃったんだもん!―借金女王のビンボー日記〈2〉 中村 うさぎ 涼みに行った先の図書館で、昔何冊か読んだ彼女のエッセイを流し読み。有名なブランド大好き買い物女王で、借金もしまくり。まあ、しょうがないよね。だって買っちゃったんだもん! …

三浦しをん『しをんのしおり』  ★★★★☆

しをんのしおり 三浦 しをん 「あの~、やっぱり気になるんですけど、本のタイトルに自分の名前をつけるのって、つまりは『ムネオハウス』と同じことなんでは?」 加藤さんのみならず、同席していた神原さん、田中さんまでもが一斉に否定しだす。 「それは違…

三浦しをん『妄想炸裂』  ★★★★☆

妄想炸裂 三浦 しをん どうせ、この近所まで彼女を送ってきて、しかし離れがたくまだ話している、というところだろう。恋人達の語らいかよ、ケッ。バッテリーなんて上がっちまえばいいんだ。 でも私はある時気がついた。 こいつら、男同士だ。 またまたぁ、…

はな『Oops! ゆっくり英語を好きになる』  ★

Oops! ゆっくり英語を好きになる はな 普通というしかない。日常で使えるフレーズをいくつも紹介してくれて、おおいいんじゃないとは思ったけどね。まあ普通のエッセイだよね。可愛らしい絵が描け、美しいスタイルの個性あるモデル・はなさん。オルビスのイ…

角田光代『これからはあるくのだ』  ★★☆

これからはあるくのだ 角田 光代 ついでにもうひとつのなぞを、彼女にぶつけてみた。ねえ、なんでバッグのなかにもうひとつバッグを入れるのさ? 彼女はしばらく考えてから、こう答えた。 それはねえ、女の子だからよ。 なるほど、ふたたび私はうなった。バ…

三浦しをん『極め道』  ★★★★

極め道―爆裂エッセイ 三浦 しをん 私はアルバイト先で毎日十一時間も上記のような歌を聞かされつづけ、いいかげん脳細胞が壊死しました。私に許された音楽は、現在のところ上記の類の曲と、閉店の案内の「蛍の光」しかないのです。これを苦痛といわずしてな…

三浦しをん『夢のような幸福』  ★★★★☆

夢のような幸福 三浦 しをん ケッ。私はもぞもぞと布団の奥深くにもぐりこむ。 「そんな、数字で簡単に表せるようなことが『ご条件』なら、だれだって苦労はしないわよ。私が唯一数値化してほしいと思うのは、胸毛の密集度くらいだっつうの」 三浦しをんの胸…

三浦しをん『人生激場』 ★★★★☆

人生激場 三浦 しをん 「そうだよね。もちろん、Fはそのフォルダを開いてみたの。そしたら『秘密箱』の中には……裸の少年たちの画像が!」 「ぶわっははは」 もうだめだ、腹筋がちぢれる。あんちゃんと私は甘味屋の店内で悶絶した。 三浦しをんマンセー! 『…

さくらももこ『ももこの話』  ★★☆

ももこの話 さくら ももこ 私は、朝からどうやってこの暑さをしのぐかということを真剣に考えながら暮らしているのだ。それなのに、心地よく眠っている私にタオルケットをかけるなんて、嫌がらせとしか思えない。 さくらももこが子供の頃のエッセイ。どうし…