Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2006-10-15から1日間の記事一覧

吉村萬壱『ハリガネムシ』  ★☆

ハリガネムシ 吉村 萬壱 こういう事がしてみたかったのだと、この時初めて気付いた。人間の肉体を思い通りに切り刻みたいという欲望を、ハリガネムシのように体の中に飼っていたらしい。 途中のグロ描写が私の嫌なツボに入り、一度断念しかけた。漫画ならい…

江戸川乱歩『鏡地獄』  ★★★★☆

鏡地獄―江戸川乱歩怪奇幻想傑作選 江戸川 乱歩 なぜといって、彼女の願いをしりぞけかねて、私がその鞭を彼女のなよやかな肉体に加えたとき、その青白い皮膚の表面に、俄かにふくれ上がってくる毒々しいミミズ脹れを見た時、ゾッとしたことには、私はある不…

あさのあつこ『NO.6 #5』  ★★★☆

NO.6(#5) あさの あつこ, 影山 徹, 北村 崇 「傲慢になるな。もう少し、ありのままの死を敬え。他人に安らかな死を与えられるなどと思い上がるな。もう二度と、他人の頸に指をかけたりするんじゃない」 そうだ、ネズミ。ぼくは自信がある。きみの傍らにいる…

有川浩『図書館内乱』  ★★★★☆

図書館内乱 有川 浩 五年前に一回会っただけだけど、 あたしは今でもあの人に憧れてるし尊敬してるし、あの人が好きです。 前後の状況からして引っ込みがつかなくなったのは明白だ。 「……かわいそうな顔すんなそこ!」 「あ、ごめんそんな顔になってた?」 …

三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』  ★★★★

三四郎はそれから門を出た 三浦 しをん 「私、けっこう本読むんだー。『冷静と情熱のあいだ』はすっごくよかったよ」なんて言う、おまえらなんてみんな死ね。合コン中の男女を横目に、居酒屋で一人、苦々しい思いでビールを飲んだことが何度あっただろう。私…

森絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ』  ★★★★★

アーモンド入りチョコレートのワルツ 森 絵都 信じられないほどよかった。図書券があったので購入したんだけど、買ってよかった。小さい頃に一度読んでいるはずなのに内容をすっかり忘れていて、でもあの頃じゃこんなに「いい」と思えなかっただろう。あんま…

真保裕一『ホワイトアウト』  ★★★

ホワイトアウト 真保 裕一 富樫の全身全霊でぶつかっていく姿勢はすさまじい。