スポットライトをぼくらに あさの あつこ, 狩野 富貴子 「言うわよ。いっちゃん、わたしたちって、すごいスピードで生きてんだよ。のんびり、ゆっくりなんてしてたら、間に合わないんだよ。幼稚園や小学校の時みたいにさ、ほわほわしてたらだめだよ」 ずき！…

いつかパラソルの下で 森 絵都 この人の本はこの人の本ってだけで私はまいっているのかもしれない。

空飛ぶ馬 北村 薫 「――どうです、人間というのも捨てたものじゃないでしょう」 その≪人間≫という言葉は、ごくごく真面目な意味で≪男と女のつながり≫といい換えることも出来そうだった。 私は、紅茶茶碗のように暖かい気持ちになって、こくんと首を縦に振った…

これからはあるくのだ 角田 光代 ついでにもうひとつのなぞを、彼女にぶつけてみた。ねえ、なんでバッグのなかにもうひとつバッグを入れるのさ？ 彼女はしばらく考えてから、こう答えた。 それはねえ、女の子だからよ。 なるほど、ふたたび私はうなった。バ…

8の殺人 我孫子 武丸 では、どうやったのか？ 上からが駄目なら下からか？ 中庭から飛び上がる？ いやいや、竹馬でも使えばどうだろう。しかしそんな不安定な状態でボウガンが発射できるだろうか？ それにそんなことをして一体何になるというのだ？ 島田荘司…