Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』  ★★★★

 2008年初読みにしては重かった。でも面白かった。

スウィングしなけりゃ意味がない

スウィングしなけりゃ意味がない

 

 ハンブルクに実際にいたスウィング・ボーイズをベースにして書かれていますが、いかんせん教養がなくどこまで史実なのか分からない。当時はジャズが敵性音楽だったんだなあ、というレベル。当たり前のことを言うと小説がうまいですね。

 佐藤亜紀の本を読むのは初めてで、ツイッターでたまに回って来る発言を見かける通り、博識で頭のいい人なんだなあという印象。フランス留学してらして、ドイツ語の文献も読みこなすのかあ。本書は文体が砕けていてとても読みやすかったけど、他のは固めなのかな。国外舞台の小説を翻訳ではなく日本語で書くとこんな台詞回しができるのねー。新鮮。

 著者の公式サイトからサウンドトラックが見れます。裏話を読んでいたら「皆川博子氏に指摘された」という一文があって、すごい、博識な人たちの繋がりだと頭の悪いことを思った。皆川博子といえばドイツだもんな。

 今年は読んだ本をせめて記録しておきたい。