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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』  ★★★★

 村上春樹の自作はあまり好みではないんだが、彼の翻訳はものすごく好きなので、単純に文章がうまいんだと思う。一番好きなのはチャンドラーのマーロウシリーズだけどこれも大変よかった。

誕生日の子どもたち (文春文庫)

誕生日の子どもたち (文春文庫)

 

 カポーティの自伝的要素を含む短編+その他の短編集で、春樹が解説で言っている通り少年少女の無垢とそれがあらわすこの世の残酷さみたいなものを描いています。どれもこれもなかなか重たいボディーブローなので元気なときに読んでください。表題作の次の短編が「根性の悪さについて言わせてもらえるなら」で始まっていたから何て編集だよと思ったよね。

 しかしカポーティは母に対する思いゆえか、『ティファニーで朝食を』も本書収録作も(おそらく全部)少女の造形がとんでもない他者になっているなと思います。どこにいるんだそんな人! あなたの目がそう見せているのでしょう!笑