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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

恩田陸『ネバーランド』  ★★★★

国内現代小説

 名古屋は栄のブックオフで100円棚に並んでいたので懐かしくなってつい。 これほんと女性の夢想する理想の少年達だよ。十年以上ぶりに読み返したので新鮮な気持ちで読めた。

ネバーランド (集英社文庫)

ネバーランド (集英社文庫)

 

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。(Amazon

 あとがきで恩田氏が「(寮生活出身者に話を聞いたが)あまりにも美しくない実態に、参考にしないことにした」「当初の計画では『トーマの心臓』をやる予定だった」と率直に述べていて笑った。狙いも着地も間違っていないと思いますし、彼女の著作にしては広げた風呂敷ちゃんと畳んでいて他人にもネタ枠ではなく勧めやすい。

 光浩に対して島田という弁護士が言ったことは弁護士として非常に許されざることで、もちろん許されないことだというのは他でもない光浩が指摘しており、未成年にそれをさせてはダメだ、というのも書かれてたとは思うが、とにかくものすごくダメだ。そんなものを美化してはいけない。

 しかし、なんでも器用にこなす頭のいい一見社交的な男子が、子供の頃のトラウマで女性が怖い無垢男子に、俺はお前が羨ましいって発言するの、ものすごいBL力だよな。おののいたわ。