ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』 ★★★☆
- 作者: ピエールルメートル,Pierre Lemaitre,平岡敦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/10/16
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/10/16
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膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。ゴンクール賞受賞作。(Amazon)
ブロマンスだと友達に聞いてポチりました。
読み終えた感想は、つらい。笑
今日で全部読み切るつもりじゃなかったのになあ。解説で言及されてる通り、手に汗握る「冒険小説」だから途中で止められるわけないのだが。もうちょっと小説的文章だったらすごくよかった(でも癖っぽいから直らなそう、翻訳のせいだけじゃない気がする)。あと勝手な感想として、過去エピソードを語る順番が結構とっ散らかっているので、そこもうちょっとスマートにならないかな? と思いました。
登場人物で印象に残るのは小役人メルランですかね。『この女アレックス』のあのケチの同僚描写を思い起こしたよ。性格やアピアランスにやや(かなり)難のある、でも仕事はきっちりして、最後にほろっとするような行動を取ってみせる感じ。あとポリーヌ。ポリーヌが値切るとこ。
BLというよりブロマンスというのが適切な小説でした。作中で夫婦と形容されていたくらいだからね。まあ女性はいるんですけど、ブロマンスなので……。
以下本編とはあまり関係のない話ですが、小説畑でずっと書いてきた人と、映像畑から来た人と、やっぱりどうしても書き方が違って、私は小説畑ずっぽりの人間なので、もうちょっと脚本っぽさを消して! と言いたくなることがままある(無論そんなの本人の自由です)。
最初から最後まで言葉で物語ろうとするのと、映像化が前提としてあるのと。有名どころでいえばガルシア=マルケスは祖母の語り口を参考にして小説を書けるようになったと言っているけど、彼の小説は言葉で「物語る」とはどういうことなのかを教えてくれてとても好き。
小説だけで完結しておいてほしい、これどうしても脱しきれないわたしのエゴイズムです。出来のいいエンタメを読んだときの感動と、出来のいい小説を読んだときの感動って別種なのよね。そして出来のいい小説を読んだあとじゃないと、小説書きたい気持ちが湧いてこないんだよねw 言い訳ですけどww