津村記久子『エブリシング・フロウズ』 ★☆
- 作者: 津村記久子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/08/27
- メディア: 単行本
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最後の方パラパラだけど読みきった。いつものように「子供として与えられた環境の中で生きてくのしんどいけど子供だから思い切った抜本的処置ができない」といった内容なので、暗い。
この内容をこの長さで書くのは間違いなのではないかと言いたい。半分の長さにしたらまだよかったのでは? 津村記久子の男性主人公は強い感情をほとんど持たない流され型で、彼女の文体ではつまらなくなるな、という思いを深めただけの読書だった。
津村さんて、基本的にはベターっとした平坦な文章で人の行動と思考を綴っていく人だから、主人公の考えていることに切実さを感じたり興味が持てなかったりすると、とたんに面白くなくなるわけなのよ。んで男性視点の話はどうにも切実さが足りんのよね。だからつまらない。
これから入ってつまらない作家だと思われるのすごい嫌なんだけど……でもこれはつまらない……。『君は永遠にあいつらより若い』『ミュージック・ブレス・ユー!』『ポトスライムの舟』『アレグリアと仕事はできない』あたりを読んでください。