読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

本多勝一『日本語の作文技術』  ★★★★☆

日本語の作文技術 (朝日文庫)

日本語の作文技術 (朝日文庫)

ちゃんとした日本語を書こうと思ったら、
まず、勉強に本多勝一氏の『日本語の作文技術』を読め。
これが私の持論である。
――全巻を通読しなくてもいい。
第一章から第四章まで読めば、それだけで確実に、文章はよくなる。
この本はそういうスゴイ本なのだ。
(多田道太郎氏「解説」より)

 よく紹介されているので読んでみた。文章を書くことが好き&言語学に興味があるので、大変面白かった。本書を読んだあとに、格の並べ方が間違っている(本多さんのルールを正とした場合)文章を読むと、頭の中で勝手に格の並べ替えが行われてしまうぞ! こわい!!

【目次】

第一章 なぜ作文の「技術」か
第二章 修飾する側とされる側
第三章 修飾の順序
第四章 句読点のうちかた
1. マル(句点)そのほかの記号
2. テン(読点)の統辞論
3. 「テンの二大原則」を検証する
第五章 漢字とカナの心理
第六章 助詞の使い方
1. 象は鼻が長い――題目を表す係助詞「ハ」
2. 蛙は腹にはヘソがない――対照(限定)の係助詞「ハ」
3. 来週までに掃除せよ――マデとマデニ
4. 少し脱線するが……――接続助詞の「ガ」
5. サルとイヌとネコがけんかした――並列の助詞
第七章 段落
第八章 無神経な文章
1. 紋切型
2. 繰り返し
3. 自分が笑ってはいけない
4. 体言止めの下品さ
5. ルポライタージュの過去形
6. サボリ敬語
第九章 リズムと文体
1. 文章のリズム
2. 文豪たちの場合
第一〇章 作文「技術」の次に
1. 書き出しをどうするか
2. 具体的なことを
3. 原稿の長さと密度
4. 取材の態度と確認

<付録>メモから原稿まで
あとがき
参考にした本
解説(多田道太郎)

 冒頭の「日本語が非論理的なのではなく、日本語を論理的に使えない使い手が多いだけ」というのはグサッとくるな。義務教育で日本語の書き方を教えないのはやはり問題だと思うよ……文法も、主張文も……。

 シンタックスとかテクニカルな話の前半部分はふむふむと思いながら読んでいたんだけど、後半に入って、著名作家の書き出しをずらっと並べられたり、文末処理や決まり文句の使いすぎや取材の足りなさなどが批判されるにつけ死にたくなりました。はい。すみません。「自分が笑ってはいけない」、コメディを書きたい人はしっかり読んでおくといいと思います。そのあとでコメディの神様・ウッドハウスを読むといね。

 一つだけ間違いなのは、イギリス語なんて一握りの人しか使わないのだから、ってところですかね。翻訳小説については近いうちにぐっと入って来る量が減ると私は思っているし、今みたいに教育/養を軽視しつづけたら、日本語ベースで何かするのが難しくなるでしょ。

 さらっと読み通しただけなので、何度も読んで分かりやすい文章を書けるようにしたいです。