川上弘美『龍宮』 ★★
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/09/02
- メディア: 文庫
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女にはもてるのに人間界にはなじめなかった蛸、七世代前の先祖にひとめぼれする二百歳の女、曽孫の前に突如現れ、放浪の果てに自然神となった曽祖母、男の家から海へと帰る海馬―。人と、人にあらざる聖なる異類との交情を、説話的な要素と日常のリアリティを融合させて描いた玉手箱のごとき8つの幻想譚。(Amazon)
川上弘美って結構地雷混ざってるんだよな。根底に家父長制があるから。
最初の蛸の話だって、北斎の絵を下敷きにしているのはわかるんだけど、ああいう男性の「無邪気」な行動が、たくさんの女性を脅かしているのだと思うと気持ちが悪くてたまらないよ。セクハラにレイプ、DVそのものである監禁と女性性のモノ扱い、もう全体的にそうなんだよなー。異形のものだから、フィクションだから見過ごせるということは私はないよ。こういうの自然に書かれるの本当に嫌だ。読まなきゃいいんだよね、彼女の思想を受け付けられないんだから、もう諦めて読まなきゃいいんだよ……でもたまに好きなやつもあってね……。
文章だけはいつもながら素晴らしかった。雰囲気もいいんだよ。しかし決定的に合わないね!