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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

伊坂幸太郎『オー!ファーザー』  ★★★★

ミステリ・エンタメ
父親が四人いる!?高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件―。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。(Amazon

 お父さんの数に合わせて星四つ。笑
 これが一期の終わりの作品だったか。私はわかりやすく一期ファンで、エンタメに徹した中に垣間見える思想(あくまで軽いそれ)とか、群像劇の章区切りの遊び心とか好きだった。なのに原稿の燃料にはさっぱりならないのが不思議だ。
 伏線張りまくった割には富田林さんの件はさくっと処理したな? と思いましたが主眼はそっちじゃなかったのであろうからよし。4人の父親のキャラクターがみんな良く、由紀夫をプレーヤーにした乙女ゲー(?)でも出してほしいくらいだった。違うタイプの成人男性4人が未成年男子1人と仲良く暮らしているってそんなバカな、って感じじゃないですか。お父さん方のやり取りをみているだけで微笑ましいよ。運動会のエピソードもよかった。クイズ番組のところぐっときた。(疑似)家族ネタは伊坂さんの得意分野ですねえ。
 会話の合間にちょっと時間を置きたいとき、視点持ちの人物の注意を逸らさせ会話外の物事を描写する、ってのはよくある手だけれど伊坂さんや本多さんの本を読むと顕著に感じる。すごくはっきりやるんだもん。大元の春樹がどうなのか春樹読みではないので知らん。