Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

有川浩『フリーター、家を買う』  ★★

就職先を3ヵ月で辞めて以来、自堕落気儘に親の脛を齧って暮らす“甘ったれ"25歳が、母親の病を機に一念発起。バイトに精を出し、職探しに、大切な人を救うために、奔走する。本当にやりたい仕事って?自問しながら主人公が成長する過程と、壊れかけた家族の再生を描く、愛と勇気と希望が結晶となったベストセラー長編小説。(Amazon

 友達がくれたから読んだ。最初は有川さんってこんなに文章っていうか小説うまくなかったっけ、と思ったけど、一気に読ませるところはさすがだなと思った。話に勢いはある。でも小説としてはデビュー直後のSF3作の方がよくできてないか? と思わずでもない。Web連載の形をとっていたから、ってわけでもないと思うんだけどなー。まあ私が有川浩読んでたの十年前だから記憶を美化しているところはある。彼女のラブ部分はいつ読んでもあまり好きじゃないな。笑 『海の底』だってメイン二人のやおいのみでもよかったじゃないかと今更ながらに……。
 全体的に懐かしさを覚えつつ読みました。ラブパートの、お互いの言葉をこう重く取りすぎるようなところとか、図書館戦争を思い出しました。あれも最初は面白く読んでたんだけどいかんせんラブが濃くてだな……恋愛小説が苦手ってわけじゃないのだけれど。多分。多分な。
 面白い面白くないで言えば面白かった、しかしキャラ造形にはあまり魅力を感じない(豊川が一番ポイント高かった)、好きかどうかと言われたら別に好きじゃない、というのが率直なコメントです。文章の美しさとストーリーだったらストーリーを優先させた読者である、というのを自覚する一冊だった。
 ……思い出したわ有川さん苦手になった理由! 二次創作へのスタンスを表明したとこだわ! あーそうだそうだ。