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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

クリストファー・プリースト『逆転世界』  ★★★★

「地球市」と呼ばれるその世界は、全長1500フィート、七層から成る要塞のごとき都市だった。しかも年に36.5マイルずつレール上を進む可動式都市である。そんな閉鎖空間に生まれ育った主人公ヘルワードは、成人を迎えた日に初めて都市の外へ出ることを許された。だがそこで彼が見たのは…月も太陽もいびつに歪んだ異常な光景だった。英国SF協会賞に輝く、鬼才の最高傑作。(Amazon

 双曲線って何だっけ? と思いつつもググらずに頭に反比例のグラフを浮かべて『逆転世界』を読んだ人が自分だけじゃないと思いたいのだけれど……笑
 しかしこの人はよくこんなことを思いついたもんだよね。津原さんの帯でもこれぞ奇想ってあったけど。語り口はとても読みやすく、都市の世界観や描写も幻想SFっぽいわあ〜と大変わくわくしました。SF慣れしてない人でも入り込みやすいのではないか。何の説明もなしに話が始まるけども、それはSFに限ったことじゃないし。表紙の絵は読者を大いに助けていると思います。有難うございます。
 アイディアだけを披露するんじゃなくてしっかり叙情が書けるところがプリーストの美点なのかな〜。過去ログ調べたら『奇術師』と『限りなき夏』は読了済みだったんだけど見事に何も覚えてない。本当に何も覚えてなさすぎて自分で自分が信じられない……これぞ認識の変革……(違います)。
 冗談じゃなくせめてパラダイムシフトくらいは知ってないと困るよな、本書を読むにあたっては。そして双曲線のグラフをググってから読むべきだった、大変もったいなかった。それでもエリザベスが某国名を出したときはうわ〜〜ってなったよ一応。最後の風景も哀惜があってよかった。再読したらもっと伏線に気づけるのかもしれない。できないだろうけど映像化してほしい。笑