Memoria de los Libros Preciosos

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藤原伊織『てのひらの闇』  ★★★★☆

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。(Amazon

 藤原さんの本の中ではこのシリーズが一番好きだな。まあ2巻目はすんげえつらいんだけど。解説で逢坂さんが言っているように、広告の人が目指す?ところの「読みやすい」「分かりやすい」「面白い」をきちんと押さえている小説だと思いますよ藤原さんは。
 文章を短く端的に分かりやすく紡ぐことについて、読むたび感心させられます。どこかで頑張って模写ごっこしたい。長い文章の方がそれはやりやすいんだよねえウッドハウスしかり……。分かりやすさ大事。大事……。体現止めの多用はアレだなと思って避けてるんだけど、文章を長く続けすぎるよりは潔く切った方がいいかもなと藤原伊織を読み返して思いました。