Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

江國香織『なつのひかり』  ★★★

「私」は来週21歳。ウェイトレスとバーの歌手という、2つのアルバイトをしている。「年齢こそ三つちがうが双生児のような」兄がいて、兄には、美しい妻と幼い娘、そして50代の愛人がいる…。ある朝、逃げたやどかりを捜して隣の男の子がやって来たときから、奇妙な夏の日々が始まった―。私と兄をめぐって、現実と幻想が交錯、不思議な物語が紡がれて行く。シュールな切なさと、失われた幸福感に満ちた秀作。(Amazon

 すこしふしぎ系だった。さらっと愛人を描くところは割と好きだが、今回は両者が合意しているから余計にいいね。女複数人で一人の男をさらっと共有してるのは好きなんだよ。男が金と権力で複数の女を所有してたり、男複数人で一人の女を共有してるのは嫌いだけど。笑
 江國さんの女性視点における男兄弟に対する夢想感はすごい。けどよく考えたら女姉妹もあまり現実味がなかった。江國さんは妹がいるだけなのかな。エッセイには作家問わず興味がないので人となりがわからん。と言ってたら妹が一人だと教えてもらいました。納得。