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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

津村記久子『カソウスキの行方』  ★★★☆

カソウスキの行方 (講談社文庫)

カソウスキの行方 (講談社文庫)

不倫バカップルのせいで、郊外の倉庫に左遷されたイリエ。28歳、独身、彼氏なし。やりきれない毎日から逃れるため、同僚の森川を好きになったと仮定してみる。でも本当は、恋愛がしたいわけじゃない。強がっているわけでもない。奇妙な「仮想好き」が迎える結末は―。芥川賞作家が贈る、恋愛“しない”小説。(Amazon

 

 Twitterでちょくちょく名前を見かけるので読んでみたら意外と面白かった、というのは私が芥川賞作家を苦手としてるからだけど、津村さんのは安月給会社員として面白く読みました。笑

 表題作、ろくにタイトルも見ずに読んでたんだけど「仮想好き」って字か。これが一番好きだった。社内でしくじって倉庫管理に回される、てのはやっぱ同調しやすいシチュエーションなのよねえ。藤村も森川もイリエもよかったと思います。最後のメールのやりとりもかわいかったし。

 イリエの状況(結婚の気はあんまりなくて、賃貸に住み続ける不安から女友達とのシェアをぼんやり模索)には色々と胸にくるものが。生命保険はまったく考えておりませんけど(私が死んでも誰も金銭的に困らないし)。ああいうふうに久々に処理したくなったとしても社内だけは嫌だけどな!笑

 他二編はまあ普通かな。名前をカタカナで書かれるとそれが苗字なのか名前なのか、性別も何も分からなくて、少し混乱しました。だからイリエの話が好きだったのかもね。入江かしらん。カタカナだと下の名前みたいでかわいい。