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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

三浦しをん『舟を編む』  ★★

三浦 しをん
光文社
¥ 1,575
(2011-09-17)

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。(Amazon

 なぜこれほどもてはやされているのか……? と疑問を抱きつつ読み進めたが、最終的にはいい本でした。達成感というのはいいものですよね。そこまでいいかと問われたら、やはり疑問だけれど。西岡視点になったら西岡のコンプレックスがうまいことオタク女子の心をくすぐる感じで、このへんはやっぱわかってるなーと感心したけど、メインキャラには女のお相手がいるのでした。残念。
 帯の絵は、雲田はるこだよね? タイムリーにオタク受けする絵柄を持ってきたなーと思う。ホイホイだよ。ビジュアル完璧だよ。しをんさんはエッセイもそうだね、そのとき流行ってる人にちゃんと描いてもらっている。いい手腕です。装丁もこれ、きちんと意味があるのね。「箔押し!」とまじめが慄いたときには私も慄いていた(笑)あ、カバーはめくらなきゃだめですよ。一面イラストだから。これを見るとまじめはただの萌えキャラであり、作中で外見含めて変人扱いされる意味がまったく分からぬ。
 ぴょーんと年を飛び越してったところは少し驚きました。三浦しをんにそういうイメージがなかった。描写はやっぱり軽く、ノリも軽いので、さらーっと読んでしまっていいんじゃないかしら。というか読めるボリューム。
  『舟を編む』への評価は、可もなく不可もなくです。これだったら『風が強く吹いている』の方が断然好きだしうまいこと題材を使えていると思う。そして萌える。