皆川博子『少女外道』 ★★
この感覚は、決して悟られてはならない。人には言えない歪みを抱きながら戦前~戦後の日本をひとり生きた女性を描く表題作のほか、ラスト一頁で彼岸と此岸の境を鮮やかに越える「巻鶴トサカの一週間」など、名手・皆川博子の傑作短篇七篇を収録。(Amazon)
うーんイマイチ! ラストが幻想めかされてる(そもそも幻想小説のくくりかもしれないが)せいかすっきりしない話が多くて乗り切れず。いや、エンタメじゃないしそんな綺麗なラスト求めてるわけではないのよ。『蝶』の切れ味がほしいだけよ。この人の『冬の恋人』を今読んでるけど、短編と長編は書き方がまったく違うんですよと言われているようで恥じ入る。しかしどこをめくっても女性の扱いがひどいなあ!
フォントがとても好みだ。仮名ははんなりしてるんだけど、全体的に縦長なのよな。私イワタ明朝オールド系は文字としては好きだけど横長なのが縦読みしにくい印象で、だから縦長かつモダンではないこういうフォントほしいわ。ヒラギノはオールドじゃあないからなー。クレストブックスの装丁が好きなのに一冊も読めてないのはフォントが苦手だからです……雰囲気はとても好きなんだよ。