Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

津原泰水『蘆屋家の崩壊』  ★★★★

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地獄に変貌する―。鬼才が彩る妖しの幻想怪奇短篇集。(Amazon

 あれっ気付いたら全部読んでた……短編不連続につまみ食いしてたから気付かなかった。これは本人の後書きと井上雅彦の寄せ書き(?)含めて本ですねえ。井上さん=伯爵、津原さん=猿渡。ほとんど私小説なのだろうか。『ピカルディの薔薇』と雰囲気違うって言っちゃったけど、文字組でそう見えるだけかもw やっぱり同じシリーズものだわ。ホラー色はこっちの方が強めかなあ、ピカルディはちと幻想っぽかったような……気のせいか……文字組とフォントの影響でかすぎるw
 ちなみに私、初読みの時はポー「アッシャー家の崩壊」の存在を知らずに読みましたからね……無知って怖いね。申し訳なくなるね。どの短編も好きだけど「埋葬虫」が一番好きです。次点「猫背の女」。