Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

中山可穂『悲歌』  ★★★

骨に染みいり血が滲む、絶壁のような険しい孤独。追い詰められた魂。私は愛してはいけない人を愛してしまったのか――。能楽のストーリーにインスパイアされた物語3篇をつむぐ傑作恋愛小説集!(Amazon

 三つの短編の中では「蝉丸」が一番好きだけど、博雅が蝉丸を選ぶラストも良いのだけど、片方が結婚という枠に入ってからどうこうなるのはさ……もう不倫ネタは読むのがしんどいわ……。不倫じゃなくてただの三角関係なら素直に楽しめるのに。
「定家」。忍ぶ恋、既婚者と独身者、で仲の良い男性二人が出てきたらそいつらがデキていると思うじゃないですか……!! 何で独身者と既婚者の妻なんですか! 何で! 女同士の不倫ものも男女の不倫ものも書いているのだから、そろそろ男同士の不倫ものも一つ……無理か。つうか何で不倫にこだわっているんだ。
 しかし中山さんの恋愛至上主義っぷりは見ていて「……うん!」ってなるほど至上主義ですねえ。