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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

木原音瀬『箱の中』『檻の外』  ★★★★☆

堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。入れられた雑居房は、喜多川圭や芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した癖のある男たちと一緒で、堂野にはとうてい馴染めなかった。そんな中、「自分も冤罪だ」という三橋に堂野は心を開くようになるが…。

別れから六年経ったある日、堂野崇文は、自宅近くの公園で喜多川圭に再会した。喜多川は「ずっと捜していた。一緒に暮らしたい」と告白する。六年前とまったく変わらぬ一途な想いに堂野の心は乱れ、連絡先を教えてしまう。が、すでに堂野には妻も子供もいて…。『箱の中』待望の続編!せつない二人の物語『雨の日』や『なつやすみ』など、大量書き下ろしを収録。(Amazon

 これ『箱の中』だけだったらシャーロック一期並みの阿鼻叫喚じゃねえかw ということでセットで。私に言えるのはよかったねー! 本当によかったね! おめでとう! 心からおめでとう! もうそれだけです。愛が報われるというのは素晴らしい。
 どこを切ってもよかったね……としみじみするだけで、正直それ以外の感想が出てこない。面白かったです。ひたすら喜多川の幸せを願ってました。箱で髪を撫でられてもだもだする喜多川がかわいすぎた。もう本当によかったね! 二人とも過酷な人生だったけど十五年ほどしっかり寄り添えたので、しかも喜多川が先に逝って、後に取り残されなくて、本当によかったね……(それしかない)。よかったねえ。おいこら幸せな二人を早く見せろと一心不乱に読んでしまったよ。こんなの読み止しではおけないね。量がそんなになくてよかった、分厚い上下巻じゃなくてよかったw
 話もエロもよかったけれど、やはり三点リーダの一つ使いと、『』での台詞処理、これはちょっと見過ごせないわ。私は同人小説でも一般的な原稿用紙の使い方がなされてないと読めない程度には狭量なので、商業小説でこれというのは……でも絶対変えないらしいな。分からんな。小説読まない人ってわけでもなかろうに……と思ったけれど私もウェブで書き始めた当初は当時読んでたウェブ小説の文体に倣ってやっていたので、そういう問題でもないか。デビュー前からってことはデビュー前に書いてた場所でしみついた手癖? 三点リーダ一つだけだと呼吸を急かされてる気がして出てくるたびに集中が削がれる……データでもらって校正してプリントアウトして読みたい……商業小説を読んでいる気分にならないなあ。うーん。自分が過敏なのは分かってるのだが、ものすごくもったいないと思う。