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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

あさのあつこ『NO.6 #7』  ★★★

決して開くはずのない矯正施設の扉がついに開かれた。目指すは、沙布が囚われている最上階!紫苑とネズミは、センサーをかいくぐり最奥部へと突き進む。壮絶な闘いの末に、二人が目にしたものは―。

 やっぱりここまでは読んでたな。前回の感想は「うん、ネズミと紫苑がラブラブなのはわかったから、もうちょっと物語を展開させてから本にしてくれないかしら。」でした。紫苑はネズミが好きで、ネズミは紫苑が好きで、沙布は紫苑に「そこまで焦がれている誰か」がいるのを分かっている。三角関係ではありませんね。紫苑がネズミの涙に抱く独白がまたすごいよね。友情でも恋情でもなく愛なんですね、わかります。あさの先生はその辺のモノローグをものすごいド直球に記述するので、BLというかただのラブです。
 とか言いつつ、登場人物の想いを行動で表したり読者の想像に委ねたりせずにきっちり書き切る、というのはあさのさんの良いところだ。文章に強い感情を乗せるのを(ネズミ紫苑間だけではなく)割とうまくやっている。なかなかできることじゃないと思うんだな。だからこそヤングアダルト向きなのだろう。
 ボロボロのネズミに「十分きれいだよ」って言ってのける紫苑様はどうしようもなく紫苑様でした。さすがでございます。