Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

上野千鶴子『おひとりさまの老後』  ★★★

結婚していようがいまいが、だれでも最後はひとり。「これで安心して死ねるかしら」

 今更読んだ。出た当初話題になってたのは知ってたけど、かわいらしい表紙だったので上野さんだとは思わなかったのだ。全体的に、金のあるお一人様女性向けの内容。生涯シングルよりも離婚・死別シングル向けではないかな。
 出版当時に老後を考えている、今より結婚率の高い層に向けて書いたものであって、お金に余裕のない生涯シングル予備軍(私自身)をターゲットにしたもんじゃないもんね。年金の算段とかさ。自分が年金もらえるとは思えないしなあ。持家率の高さも、私らの世代じゃそこまでないだろ。
「一人を楽しむためにぽーんと家を買えばいいんですよ、1000万円あれば云々」て、さあ……。全体的に感覚が合わなかったな。「一人を経験したら雑魚寝には戻れない」「最低条件は自分だけの住まい」あたりは本当にその通りだと思ったけど、何にしても結構な金がいるのよね。彼女の主張する「人間一人暮らすのに最低でも60㎡」って、36畳ですよ。それ、庶民の感覚とは大いにズレがあるのでは。私が今住んでるのは9畳の1Kで、ずっとこの広さだと物が増えたときに困るだろうけど、でも現時点ではあんまり不自由してないよ。
 生涯シングルで生きてくんだったらちゃんと稼がないと、ってのはその通りなので頑張りたいです(本にはそんなことは書いてありません)。