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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ジョー・ウォルストン『暗殺のハムレット』  ★★★★

 ドイツと講和条約を締結して和平を得たイギリス。政府が強大な権限を得たことによって、国民生活は徐々に圧迫されつつあった。そんな折、ロンドン郊外の女優宅で爆発事件が発生する。この事件は、ひそかに進行する一大計画の一端であった。次第に事件に巻き込まれていく女優ヴァイオラと刑事カーマイケル。ふたりの切ない行路の行方は―。壮大なる歴史改変小説、堂々の第二幕。(Amazon

 二巻、一巻より話のテンポが速くて面白い。一巻は冒頭の登場人物紹介で私はだれてしまって、ミセス・カーンの欲情描写もあまり好みではなかったんだけど(笑)、二巻は転がし方が上手い。欲情描写もこっちの方が何ていうか分かるよw しかしこうなることは分かっていたけど……つらい……!
  一巻より本当にエンタメというか、読者を振り回すのがうまい話の展開だと思う。登場人物も魅力的だったし。演劇界を舞台にしてるせいかもしれないけどね。男女逆転ハムレットネタを楽しむには普通のハムレットを知っている必要があるわけで、そこは惜しいことをしたなあ。笑
 ストーリーに関しては素直に面白く、そこここにフェミや同性愛の要素が散りばめられており、枝葉の部分も面白かったなという印象。途中女性同士の会話にペッサリーが出てきたけど、カトリックは避妊非推奨だからペッサリーを許してもらえないのかな? 女性が主体的に避妊できる方法であるペッサリー使用に(性描写内ではないけど)言及する。作者が意識してやってるんだろうなあと思います。ちなみにウィキには、江戸時代は膣に和紙を詰めるという方法を取っていたとあったよ。ペニスの先が擦れそうだけどw 三巻を読むのが楽しみだ。
 ただジャックについて、ついでにカーマイケルについても、翻訳はちょっと微妙かなあ。原作でもオネエっぽい言葉遣いをしてるんだろうけど、それを日本語にすると、一人称や語尾によって必要以上に強調されてしまう気がする。そこまでやらなくていいのでは? 仮にも軍人だったんだし。カーマイケルも28、9歳とは思えぬ台詞回しです。若々しさが微塵もありませんw 日本のミステリに出てくる40代刑事みたいだよ、ジャックじゃなくとも若さを演出しろと言いたくなるよw ロイストンは普通なのにw