Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

『日本のフェミニズム6 セクシュアリティ』

 文化的・社会的に構築されたセクシュアリティは、現在どこまで揺らいだか。排他的で抑圧的な異性愛規範を踏み破り、自らのセクシュアリティを選択する人、性暴力被害の当事者、性産業で働く人の声が制度や法を動かし始めた。これまで聞かれることのなかった多様な声を収録。

 田嶋さんの靴の話読んでたら涙が滲んできたわー……今はさ、ヒールがなくてかわいい靴もサイズもたくさんあって、ヒール嫌いな私も特に困らず生きてきてるし、大足=女らしくない、って印象もそうないとは思うけど、つい数十年前はさ……足腰に相当の負担をかけてまで、女を「捨て」たくなければヒール履かなきゃいけなかったわけじゃない。纏足だよなあ。冒頭の子供時代のお絵かきの話(女の子を書くと無意識に足元がヒール)なんて、私でもそうだったよ。不思議に思いもしなかったよ。まったくなあ。内定式で「女の子はヒール慣れてるじゃん」って言ってきた男の子に抱いた殺意にも似た気持ちを思い出したわ。慣れてるんじゃないから、慣れざるをえないだけだから! 履かせてやりたいわ! はあ、ノーヒールの黒いパンプス買おうっと……。
 あと東南アジアの売春についての論文、読んでると非実在青年にかまけてる場合じゃねえだろって思うよな。自分の意思ではなく、でも生きるために売春を強いられてる少女らがいて、それを日本人も買っている、そういう状況に先に取り組むべきですよマジで。
 正当防衛で買春男性を殺してしまったホテトル嬢の判決はいつ見ても(何度か読んでんだよなこの本)ひどい。信じがたい。言葉が出ない。