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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』  ★★★☆

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。(Amazon

 一つだけ。乳を揉まれるというセクハラを受けた女主人公の、
「彼の立場を慮って、たかがお乳の一つや二つ、(中略)平気で受け流しておくだけの器の大きさをなぜ私は持てないのでしょう」

 これは男性作家に書いてほしくなかった! なかったなあ! 女性作家がそうやって書くならまだ分かるというか、蚊に食われたくらいのことで騒ぐのもアホらしいぜと割り切るんならそれもありかなと思うんだけど、男の人に「女性視点で」やられるとそんくらい許せと言われているようで不快だなあ。男性視点ならまあいいのよ。好きじゃないけども。笑
 ファンタジーだな! 李白さんや古本の神様をさておいても大学生活というジャンルのファンタジーだと思うよw 京大ってこんなこと起きてるのん……?笑 京大ミス研出身作家は豪華メンツだし、あってもおかしくないようなイメージはあるけどw
 『四畳半』と同じ空間かつ同じようなメンタリティ。黒髪の乙女至上。エロからの遠ざけっぷりや己の性欲に煩悶する主人公を見ていると、女の子ってそんな純粋なもんじゃちっともなくてよ、と言いたくなるがそれは作者も重々承知の上でファンタジーしているのであろう。二作ともエロゲ仕様。主人公の男の名前、『四畳半~』でも明かされてないよね。「私」って、一見どこにでもいそうな……いや、この文章の妙さは全くどこにでもいそうな男じゃないけれど、強いアクがあるのは周囲の人物で、「私」自体はそれほどでもない。黒髪の乙女への執着を別にすれば(笑)
 しかし素敵な妄想力と文章センスですねえ。どうやって培ってきたのかエッセイ読めば分かるのかしら。キャラとしては文化祭総指揮官が大変よかったです……というか私がこの手の人間に弱いだけです……基本視点は凡人に据えてるみたいだから、変人主人公の話があったらそれも読みたいなあ。
 この本、『四畳半神話大系』『宵山万華鏡』と同じ世界だね。繋がってるよ。もしかして森見さんって伊坂さんみたいに全部の著作がリンクしてたりする? 私は伊坂さんのリンクっぷりを追いきれないことに疲れてしまったので(上遠野浩平の一連のシリーズもそう)、リンクさせるなら三冊以内でお願いしたいと常々思っています。自分が仕掛けに気付かないで読み飛ばしていると思うと悔しいわ腹が立つわ、結局離れていっちゃうんだよな。少しならほくそ笑んでいられるんだけどさ。記憶力悪いからさ。